初めて起業した時のこと。
2019年06月14日

ゲーム作ったりWebサービス作ったり服を作ったりしている喜多です。 初めて起業した時のことを思い返して書きます。ちょっと長いです。

僕が初めて起業したのは今から3〜4年ほど前のことでして、振り返ると「おお、もうそんなに経ったのか」という感じ。男の人なら何となく共感を得られるんじゃないだろうかという「30歳までに起業したい」「30歳になるまでに年収1,000万超えたい」みたいな願望が僕にもありました。

起業する人には3パターンあって、 ①他人に使われたくない、雇われたくない ②大志や大義がある。どうしてもやりたいコトがある、作りたいモノがある ③金が欲しい に分けられるんじゃないかと思っているんですが、そして実際にはこれのウチのどれか1つ、というワケではなく、3つとも持っていてそのうちどのモチベーションが特に強い、みたいな感じなんじゃないかなと勝手に考えています。 僕はお金を稼ぐのが好きなのでもうちょっとお金の話をさせて頂くと、お金に興味がありませんという人は起業しない方が良いんじゃないでしょうか。社長にはならない方が良い。 何故ならお金がなくなったら自分はもちろん死ぬし、自分についてきてくれる社員も死ぬから。 なので僕は、少なくとも社長はお金に興味津々じゃないとダメだと思っています。 稀に「お金が好きだなんて恥ずかしいよ……」とか言う人もいるんですが、お金があって初めてアナタの作りたいモノが作れるし、アナタのやりたいコトをやれるワケじゃないですか。これは真理。

少し脱線したけど、僕が起業した理由は③のお金でした。 僕はゲームを作る人間でした。ソーシャルゲームとかスマートフォンゲームとか言われていて、データに金払うなんてバカなの?とか、そんなもんはゲームじゃないとか、一部ではひどく低く見られるヤツです。 でもこのソシャゲというのは凄くて、売れているモノだと月に50億とか100億円の売り上げを叩き出します。 AppleやGoogleで遊ばれるゲームは、プラットフォーム手数料と言って月毎に3割の手数料をPFに支払う。ゲームはエンジニアやデザイナーやプランナーによって毎日運用されていて、オンラインゲームなのでサーバー費用もかかって、広告費もかかって……と、当然そのゲームが存続する限り費用はかかるんですが、それでもその規模の売り上げになると差し引いて毎月ウン十億円の利益が出てくるのです。 ではソシャゲを作って運用していた僕は何を思うのか。 「起業して自分の会社でヒット作を出したら一瞬で億万長者になれるのではないか……?」です。

初めてそう思ったのは2012年の夏頃で、ちなみに僕は2012年の夏頃にゲーム業界に入ったので入って即そんな欲に目が眩んだことになります。 ただこの頃のアプリはまだ売れて月2億とか3億とか、せいぜいそんなモノだったんじゃないかなと記憶しています。 それよりも僕を「これは起業した方がいいのでは?」と思い至らせたのは、その当時ソシャゲで稼ぎまくっていた会社のほとんどが、さほどゲーム好きな人たちの手でゲーム作りを行なっていなかったことでした。 サッカー選手にサッカー嫌いがいないように、ゲームクリエイターはゲームを好きでしかるべき、と考えていた僕は、たいしてゲームを好きでもないしプレイもしていない人たちが、ゲームを集金装置に見立ててウハウハしている姿に激萎えすると共に、しかしチャンスを見出したのです。

その頃ってゲームらしいソシャゲってパズドラぐらいしかなくて、あとはもう本当にいわゆるポチゲーばかりでした。その中でちゃんとしたゲームを出したら絶対売れるやろと思ったんですね。 ちなみにこんなことを考えるプランナーは決して少なくなかったと思うんですが、なかなか実現しませんでした。何故なら会社では会社の偉い人が決定権を持っていて、その偉い人は前述した通りの御仁が多かったから。 もちろん「まぁそうかもな……」とは思ったと思うんですが、数ヶ月で作れるポチゲーでジャラジャラ稼げているのに、時間とお金をかけ、とは言え売れるかまだ不明瞭な、ちゃんとしたゲームらしいゲームを開発する判断ってなかなか出来ないワケです。 ご多聞に漏れず、僕の企画も「ソシャゲっぽくない」という理由でなかなか通りませんでした。

そうこうしているウチに2013年になってしまいました。 ブレイブフロンティア、ドラゴンポーカー、ラブライブ、チェンクロ、モンストとゲームらしいゲームが出てきちゃったのです。 しかも全部めっちゃ売れるという。 僕は「うわーめっちゃチャンスだったのに」と歯噛みしました。 ちなみに僕の企画はブレフロみたいな感じでして、企画が通っていたとしてもブレフロが先に出てしまっていたようなタイミングではあったのですが、自分の会社では通らなかったような企画がよそでは実現するんだな、そしてこの会社は「ソシャゲっぽくない」という理由で可能性を網羅しないんだな、ということに絶望しました。さらにはポチゲーを作った人らがそういうジャッジをしているという現実。 この時に「もう絶対起業して自分が売れると思うゲーム作ったる」と決意したのでした。 これって先述した①〜③全部を内包していて、それでも金ですって言い切ったのは売れるゲームを作ってめっちゃ金稼いだる!という思いが根底にあったからでした。

※ちなみにゲームって、似ているからといってそれが売れるとは限りませんし、アイデア一つでどうにかなるものでもありません。ブレフロは細部まで考え抜かれた、売れるべくして売れたゲームでした。

結局そこから本格的に起業するまでに2〜3年かかったんですが、これは別に準備していたとかではなくやり方がよくわからなかったんですね。 それを起業と呼ぶのなら、1番最初はサークルみたいな感じで、エンジニアの友人(Oさんと呼ぶ)と2人で始めました。2015年の春頃でした。 僕がゲームの仕様書(設計図みたいなモノ)を書いて、彼がプログラミングする。作業場は僕の家だったり彼の家だったり、道玄坂のモスバーガーだったりまちまちだったけど、まぁよくある起業風景だったんじゃなかろうか。

やり方がよくわからないと言うのは、ここからが本題なんだけど(前置きが長くてスミマセン)これこのままじゃ完成しないよね?ということに気付いてしまったんです。気付いたというか、知っていたけど遂に直視せねばならぬ時が来てしまったというか。 そう、ゲームを作るにはお金がめっちゃかかるんですが(2015年の年始に、某社の社長が1本作るのに5億円かかるとか言っていた気がする。その時はそこまでじゃなかったと思いますけど)僕らにはそんなお金はありませんでした。 やり方とは即ち、お金の作り方です。 僕らにはどうやってお金を作るのか?というスキルなのか知識なのか、とにかくそれがゴッソリ欠けていたのです。

でも出会いがあった。 そこから1年ぐらい、お互いに別々の仕事をしながらも一緒に作業したりして漫然と「どうしたらいいんだろ」って思っていたんだけど、そこで別の友人のNさんと知り合ったのです。 このNさんはその時の僕らからしたら凄くて、なんと3回も起業していたんです。僕らより2つぐらい歳下なのに、3回も……すごい!って当時の僕らは目をキラキラさせて彼の起業秘話に聞き入りました。 (まぁ3回会社を潰したとも置き換えられるんだけど) この出会いが、僕とOさんに足りなかったお金を作って更なるお金を生むという知識と行動力を与えてくれました。

この時どうやってお金を集めたかというと至ってシンプルで ①お金をたくさん持っている会社がやりたがっていることを代わりにやってあげて、そのお代をもらう ②ゲーム会社に企画とモック(ゲームのごく一部。パズドラならパズルの部分)を持ち込んでお金をもらう ③普通に投資してもらう の3つでした。 逆に言うと(自己資金が無いなら)これ以外に無いんですが、かつての僕とOさんには出来なかった。 何故なら「それって現実世界の話なの?」とか思っていたからです。 起業したいよね〜とか言いつつも、上記3点のためにアクションするという発想が湧かなかったんです。 発想が湧かなかったと言うか、入り口が全くわからなくて、資金調達って言葉やそれに付随するアレコレは知識としてはあったものの、どこに行けばいいのか?どの門を叩けばいいのか?が全くもって見当もつかなかった。

起業って、脱童貞みたいなモノだと思うんですよね。(っていう例えが僕の周囲の人に刺さったんでそのままいかせてもらいます) 起業の苦労だの会社とはこう経営すべしだの、そういった知識って世にある本で賄えるんですけど、肝心のその手前が全然わからない。 何て書いて良いのかわからないくらい曖昧なんですが、起業したことのない方はちょっと想像してみて欲しいんですけど、じゃあ起業しよう!ってなったらすぐに動けますか?まず何をしたら会社になって、経営できると思いますか?? これ多分ピンとこないと思うんですよ。 そうだったんですが、今の僕は今夜準備して、もう明日には商売始められる自信があるんです。自信があるっていうか、普通に朝起きて会社行くぐらいの当たり前の感覚。

これが童貞を捨てし者です。起業童貞。 俺もう女抱けっし。全然普通だし。みたいな。 女の人の体ってどんな感じなんだろう。セックスって絵本の中の出来事なんでしょ?というのが僕を含むかつての男子諸兄の思考で、いざその時を迎えてもAVで散々観たハズなのにどう動いていいかわかんないし、どこに何していいのかわかんない。 でも一度経験してしまえばもう普通なんです。 どの会社で働くのか?何の仕事をするのか?という選択肢だったのが、就職するか起業するかみたいな感じに変わるんです。 会社に勤めながら会社やってもいいでしょう。(会社が許してくれるなら)

長くなりそうなのであと500文字書いたらいったん切り上げます。

なんかどんどん逸れたのでグッと話を戻すと、初めての起業はそんな感じでした。 作りたいモノもあるし、気持ちも出来上がっている。けどそれを実現するための先立つ物=お金ってどうすればいいんだっけ?というのをどうにかするために、経営者として何年もやってきたNさんを社長に据えて、遂に僕らのゲーム会社は誕生したのです。 この時のドキドキワクワクした気持ちは、多分もうなかなか味わえないんじゃないでしょうか。 社名は何にしようか?とかどんなオフィスが良いとか、そういう外面の話から、どんな会社にしたいとか理念は何だとか、子供の様に僕とOさんはキャッキャと語っていました。 やっとこのゲーム作れるね!と。Oさんはとにかく僕を褒めてくれる人で「このゲームはマジで売れますよ。構想聞いた時に天才かと思って感動しました」なんて言ってくれました。 Nさんも「会社デカくして1人年俸10億取りましょう!」とか言っちゃって。

言っちゃってたんですが、そうはなりませんでした。 ちなみにこの会社はまだ普通に存続していて100人くらいの規模になっているんですが、そこに僕はいません。

計った様に500文字が見えてきてしまったのでひとまず切り上げます。 僕は今現在に至るまで、この会社を含め3回会社を作ったのですが、多分今の会社が一番欲深くなく、しかし不思議と良い感じです。 その学びを備忘録も兼ねて書こうと思ったのですが、*ほぼ前段で終わっちゃいました。 *なのであと2回ぐらいに分けて書こうと思います。

それでは。

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