空条承太郎から学ぶマネジメント論【前編】
2019年08月01日

こんにちは!梅雨明けで暑い日が続きますね。 そんなお暑い中突然すぎる問いですが 皆さん、ジョジョはお好きでしょうか? きっとお好きですよね。

え、読んだことない?いやいやそんな、 あれですよ、『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズですよ? かくいう私も「え、読んでないの?めちゃくちゃ読んでそうな顔してるのに……」と一部層から侮蔑の眼差しを受け続けた種類の人間でして やはり一般教養としてのジョジョは身につけておくべきだなと、 数年前から読み始めた新参者ではあったのですが

一般教養とかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ…… そこにあったのは「聖典」でした。

いや何これ、何なん、 ジョジョのテーマは一貫して『人間賛歌』ですが、 いやもうまさにそれ、もうね、1人1人の生き様が 戦いに現れて……いやもう本当に『人間賛歌』です。この漫画は……

さらにもう1つ、そんな荒木先生が漫画ノウハウを贅沢に凝縮した 『荒木飛呂彦の漫画術』も最高すぎるので 聖典を身体に刻み付けるためにも、合わせて読むことをお勧めしたいです。

荒木飛呂彦の漫画術(集英社新書)ー2015年 ※Kindle版もあります!

実は私、ジョジョを全部読んでない段階で先にこの本を読んだのですが 別にジョジョ好きじゃなくても、 漫画家を目指してなくても、 この世に生けとし生きる人間なら、この本から学べることが100箇所くらいあります。 無計画にマーカーを引くとアンダーラインだらけになって結局何が何だか分からなくなりますが こんな講演だったら1日軽く10万はしちゃいそうな内容、 780円とかで売り出しちゃっていいの荒木先生……いやもうそこにシビれる憧れる……

この本の中で繰り返し出てくるのは、 一見異色に見えるジョジョは「王道漫画」であるということです。

それこそ荒木先生がデビュー前、編集者に1P目でボツを食らって 「なんで駄目かは自分で悟れ」みたいな究極のOJTを受けていた頃から約40年間。

雨の日も風の日も、漫画や映画を分析しながら 一体なにが面白くさせるのか、面白くなくさせるのか…… たゆまず研究しつづけ結果である、「王道」。

その法則を惜しみなく体系化し、 それはそれは優しく丁寧に私たちに語りかけてくれており、 もう荒木飛呂彦という1人の男の生き様として 心打たれるし恋に落ちそうになるし そんなものを780円で読めちゃうんだからほんとヤバ……

「王道」を突き詰めた作品は、 現実世界の構造や人生が凝縮されており、 それはもう自分と同じか、違う誰かの人生の擬似体験だと思っています。 そこから学べることは多すぎるわ貴重すぎるわで、もう宝の山の如しです。 (そんな想いで、別ブログではドラクエから人生を哲学する記事を書いていたりします)

いわば事例の宝庫である『ジョジョの奇妙な冒険』+ その世界を紐解いた『荒木飛呂彦の漫画術』をセットで読めば =それはもう「聖典」ですので、聖書と一緒ですので。 戦略・マーケティング・意思決定・恋愛・人間関係……などなど 人生のあらゆるシーンにおいて参考になりますが、

今回はその中でも「マネジメント観点」で見てみたいと思います。

というのも、1人の男を見て 「あ”〜〜〜〜!!!!!」と思うところがありすぎたためです。

空条承太郎(くうじょうじょうたろう)です。

▼岡田画、空条承太郎

ジョジョを読んだことがない方でも、 空条承太郎はなんとなく知っているのではないでしょうか? 情熱を内に秘めたクールな男、女の子にもモテモテ、 ジョジョシリーズの中でも屈指の人気を誇る彼ですが 彼のマネジメント力は見ていて非常に心がざわざわします。

一体何が私の心をざわつかせるのか……私はその謎を解くべく ジョジョ3・4・6部のいくつかのシーンを振り返ってみることにしました。

■良いマネジメントとは?

そもそも何をもってして「良いマネジメント」とするのでしょうか。

まず初めに私の立場をお断りしておきたいですが、 今回「マネジメント論」などと偉そうに掲げておきながら、 私にはマネジメント経験が一切ございません。

それどころか明確なリーダー経験もなく、後輩の指導員や支援をしたくらい、 学生時代まで遡ってもせいぜいサブリーダー経験くらいの 34歳てんびん座AB型です。

しかし私に石を投げる前に聞いていただきたいのですが、 こんなてんびん座でも ・人材業界に7年おり、様々な業界・レイヤーの方から企業の組織・人材の話を聞いてきたこと ・現在は企画職として、一部マネジャー研修にも関わっていること ・社会人経験13年の中で、部下の視点から多数のマネジャーを見てきていること

という点から、私なりに語れることもあるのではないかと 自分自身の振り返りも兼ねて、今回勇気を出してこちらのテーマを選んでみました次第です。

良いマネジメントとは……なんて、明確な答えは無いと思っています。

世の中にマネジメント本は数あれど、 「マネジメントならまずこれを読め」と半分以上が勧めるような デファクトスタンダード的なものは無い印象です。 組織論とか、事業開発とか、マネジャーの役割の中でもっと分野を絞れば いろいろ有名なものはあるんですが(学習する組織とか、ドラッガーとかetc) 「マネジメント」総体となると 範囲も組織・役職によって違いすぎて不明瞭、 人によって重視するポイントも違うので、途端に抽象的な話になる。

では、まずは自分の中の基準を考えてみようと 大変僭越ながら私の今までの歴代上司(課長職)11名を、 「自分が良いマネジャーだと思う順」に並べ、 なぜその順位にしたのかをノートに徹底的に書き出してみました。 ※今までのマネジャーの皆さま、大変大変申し訳ございません皆さま尊敬しております  全員から学ばせていただいてますが本当に敢えていうならです、敢えて

1〜3位くらいは比較的すんなり決められたのですが、 その後の細かい順位づけに大変悩みましたし 人をジャッジするというのもなかなか苦しい作業だなと…… ということを、マネジャーの皆さんは日々しているんだよなという苦労を慮りつつ……

ただ「同率順位は禁止」というマイルールの元、悩んで差をつけたところにこそ 自分なりの価値観・優先順位も見えてくる。 結果、私がマネジメントをみる基準は以下の3つでした。

【私がマネジメントをみる基準】
① 組織に対して:
 部下の意志(やりたいこと)を踏まえて、力をうまく引き出していたか。
② 事業に対して:
 事業を前に進め、社会課題を解決していたか。
③ マネジャー自身に対して:
 その人自身の覚悟や価値観が一貫して見えたか、そしてそれが共感できるものだったか。

①は、「部下の意志があることを上手くやらせていたか= モチベーション・エネルギーを最大化させていたかどうか」です。 押し付けでも丸投げでもなく、メンバーの状態やレベルに上手く合わせて適切に支援し、 その状態を作り出せていたか。 「部下」と一般化しましたが、まあ平たくいえば 「私のことをよく見てくれて力を引き出してくれたか」どうかです。

②は、結果を出していたかどうかです。 財務面(売上や利益)に貢献したかとか、 適切に課題を見抜いて上手い仕組みや商品・サービスを作り上げたかとか、 外から見えやすく評価しやすい部分。 「賢いかどうか」にも近いです。

③はその人の生き様のようなもの。 その上司自身がやりたいことをやれているか、自身に誇りを持っているか。 その結果、行動や決断に一貫性があるか。 「人として好き/尊敬できるかどうか」に近いです。 ここが強ければ人の心に残りますが、 これしかないと「いい人ではあるんだけど……」「言ってることは立派なんだけど……」 みたいなセリフが出がちです。

そして順位を見ると、私の加点の優先順位は 「①対組織>②対事業、+③マネジャー自身の価値観はあることが前提(ベース)」でした。

例えばもし、 「華々しい成果が出た訳ではないが、1人ひとりをよく見ていて組織状態がよかった」 というAさん(①>②)と、 「ややトップダウンだけど、すごく成果を出して賞も取った」というBさん(②>①)がいれば、 私はAさんの方が「良いマネジメント」と捉えます。

③はベースみたいなものです。 ここが強ければ強いほど印象に残る、人の心を打つ上司です。 しかしいくら意思決定が一貫していても 例えばその理由が「自分をよく見せたい・評価されたい」とかだと 全然共感できないので加点要素になりません。 ただ、そもそも①か②どちらかが強い人は、大体③も強かったです。

この私の基準を見て、特に優先順位の部分で あなたが共感できるかどうか? それとも「自分は違うな」と思うかどうか?

他の人の意見を聞いたときに、自身を振り返っていただいて 共通点・相違点があるならば それがあなたなりの「マネジメントを見る基準」だと思います。 同じように今までの上司を思い出しながら考えてみてもいいかもしれません。

決して唯一の正解はないので、ちょっと立ち止まって考えていただいて。 自分の「マネジメントを見る基準」を頭の中に思い浮かべながら、 ぜひ後半の事例を読んでいっていただきたいなと思います。

■空条承太郎ってどんな人?

で、上記の基準を持った私が「もし上司が空条承太郎だったら?」を想像すると 結論、「超辛い」です。

空条承太郎、どんな人物かご存知でしょうか? 長い帽子がトレードマーク、 荒木先生いわく「とにかくあまり動かない、そして立っているだけでサマになる存在感を、 第三部の全編を貫く承太郎の特徴にしました」。(『荒木飛呂彦の漫画術』P94より)

単行本には、以下のプロフィールが掲載されています。 (『ジョジョの奇妙な冒険』集英社 単行本14巻P111より抜粋)

空条 承太郎(17歳)※第3部時点 ★みずがめ座 ★B型 ★身長…195cm  ★学歴…現在、高校在学中 ★日本人の父(ジャズ・ミュージシャンで現在旅行中)とアメリカ人の母をもつ ★瞳の色…ややグリーン ★趣味…飛行機とか船に関する本をみるのが好き ★好きなスポーツ選手…千代の富士 ★好きなミュージシャン…久保田 利伸 ★好きな映画…ネバー・クライ・ウルフ ★好きな色…透明感のある色ならぜんぶ ★性格…承太郎は、とりたてて自分の感情を外に表す必要はないと考えており     それは誰の目にも明らかだと思っているため 人から誤解を受けやすい     トラブルを起こしやすいのはそのためである ★好きな女の子のタイプ…いわゆる日本人的な女性が好き ウットーしい女は大キライ ★スタンド…星の白金(スタープラチナ)

公式に掲載されているのは上記だけですが、 荒木先生はキャラクターを作るとき 60項目近くある独自の身辺調査書を必ず書くことを40年以上続けているそうです。 (先生にとって身辺調査書は、いわば「秘伝のタレ」とのこと)

職業・学校、経済状態その態度、ペット・植物、趣味娯楽、 好きな言葉、手術経験や虫歯・病気、尊敬する人・恨んでる人etc…… これらを考えておくことにより、"「最初は運動が苦手という設定だったのに、戦っている間に急に機敏になってしまう」といった、キャラクター造形に矛盾を感じさせる事態を防ぐことができます。" (『荒木飛呂彦の漫画術』P73より)

ジョジョシリーズを全部読んでから、 改めて上の空条承太郎のプロフィールを読むと 「いやもうマジで超分かる、こういう人いる」という感じです。

特に、膝を打つほど納得感高いのがこの部分。

★性格…承太郎は、とりたてて自分の感情を外に表す必要はないと考えており     それは誰の目にも明らかだと思っているため 人から誤解を受けやすい

荒木先生は本の中で "まずは困難な状況を設定するところからスタートします。 次にキャラクターを作っていって、設定しておいた状況に放り込むのです。 そうすれば、自然とキャラクターが状況の中で動き出していく" と語っていました。(『荒木飛呂彦の漫画術』P134より)

もう本当におっしゃる通りで、 「この性格の人だったらこういう言動になるよね」というリアル感がすごい。 だからこそ、事例として大変勉強になります。

承太郎が活躍するのは シリーズの3部(承太郎17歳)~4部(28歳)~6部(41歳)になりますが *高校生から中年になっても彼のこの性格は変わらなかったため、 *荒木先生の言う「困難な状況」においては、 私のマネジメント基準の「①(対組織)」のところで支障をきたしていきます。

という訳で後半は、実際の漫画のシーンを振り返っていきたいと思います!

★あまりにも長くなったので後編につづきます!!

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岡田 菜子
総合電機メーカー→(株)リクルートキャリア 人材紹介領域の法人営業を6年担当のち、2018年より同領域の企画職。インナーコ...
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