"採用成功"の定義について考える。CHRO COMPASS+「CHROから捉える採用戦略」ワークショップより。
2019年05月26日

自分自身が過去に組織づくりや採用において苦労や失敗した経験を持っていることと、ティップストックを組織面でも良い会社にしたいので参加させてもらっているHRの会員制コミュニティである「CHRO COMPASS+」。

第三回ワークショップに参加したので、そこでのインプットや思考内容などについて。テーマは「CHROから捉える採用戦略」。

CHRO COMPASS+について

CHRO COMPASS+は、人と組織の関係を経営シーンから最適にする役割を担うCHRO(Chief Human Resource Officer)を育成、輩出するための会員制コミュニティ。

活動内容は以下。

①オンライングループ  CHRO Compass+専用の非公開オンライングループをFacebookで作成します。参加者同士のディスカッションや情報交換を行えます。 ②定例ワークショップ会(月に1回、2時間程度)  ワークショップを中心に開催。オンラインで動画も配信します。一方的な講義ではなく、アンケートを取りながら短期、中長期の視点からの課題解決を目的とします。動画はアーカイブするので、後から閲覧も可能です。 ③分科会(月に1回、2時間程度)  「採用」「育成」「組織開発」「人事評価」などの専門テーマごとに有志で学び合う分科会グループを開設します。 ④交流会(月に1、2回)  「採用責任者」「人事リーダー」などのテーマ別に交流会を実施し、企業間、地域間、年次を越えた交流をすることができます。 ⑤ケーススタディ会(月に1回、2時間程度)企業のCEOや経営者をお招きして、人と組織の課題を伺いながら、グループで分かれてディスカッションを行い、CHROの疑似体験ができる会を開催します。

CHROから捉える採用戦略

第三回である今回のテーマは採用戦略。(ちなみに前回の第二回は「ミッション・ビジョンへの向き合い方、伝え方をCxOの立場から考えよう」)

ディスカッションした論点は以下。

1.採用成功の定義 2.採用計画の立て方。事業目標や事業戦略から、どうやって計画(人数、チャネルなど)に落とし込むか 3.ミッション、バリューをどのように採用戦略・手法に落とし込むか 4.採用戦略はどれくらいのスパンで立てるのが良いか。 5.求める人物像の定義の仕方

採用成功の定義

企業によって何を採用の成功とするかは変わってくる。内定したらゴールなのか、入社したらゴールなのか、成果をだしたらゴールなのか。改めて採用における「成功」を定義するというところが1つ目の論点。

ここで出てきた意見の方向性はおおまかに以下の3つ

・社員一人あたりの売上、社員一人あたりの利益を指標とする観点 ・社員満足度や、採用担当が気持ちよくできているかどうか、楽しんでいるかどうかという観点 ・入社してからのパフォーマンスがどうかという観点

いずれも共通の認識としては、満足度や採用担当の気持ちの良さ、楽しんでいるかどうかなどのメンタル的な部分と、業績や成長という2要素は相関関係にあるということ。

2点目の、「採用担当が気持ちよくできているかどうか、楽しんでいるかどうか」が採用成功かどうかということに関する補足として、「採用の成果がでていないと、(焦ったり、不完全燃焼だったりで)担当者達が気持ちよく仕事できることはない」という主旨。

「気持ちよく仕事ができている、楽しく仕事ができている」ことを、「ゆるゆる楽に仕事している」と履き違わないように注意が必要という前提の上で、自分個人で考えている範囲ではその観点は出てこなかったので、なるほどなと勉強になった。

また、3点目の「発揮しているパフォーマンスを指標とする」ことに関して、このときに挙がった論点としては、個人のパフォーマンスは上司や環境に依存するので、その点の考慮が必要であるということ。 その人に合ったチームや環境が見つかるまで、短めのサイクルで異動していく制度を運用している会社もあるとのこと。

逆にマネジメント側は、採用して入社してくれたメンバー(や志向など)と、チームとの相性を念頭においてアサインし、そこで終わりにするのではなく、数ヶ月毎に進捗を追っていき必要があればアサインを調整していくというフローが必要。もっというと採用段階からその相性を念頭に置く。

ディスカッション時には思い浮かばなかったが、後で考えていて(ここでの議論も踏まえて)自身が至った結論として、

採用の成功とは、採用面接時に企業と採用担当、候補者がそれぞれ持った期待値にお互いが達し、「入社してよかった&入社してくれてよかった」とすべての関係者が思うこと。

ではないかというスタンスをとろうと思う。

もちろんそれは、然るべきオンボーディングやアサインメントの都度調整、定期的なコミュニケーション設計など、サポートを適切に行なうということが前提。 むしろ、上述の定義が"採用成功"であるがゆえに、「採用が決まったら採用活動は終わり」では決して無く、そこ(関係者の期待値を達成し、入社してもらってよかったと思えるポイント)に至るまでが「採用活動」であると言える。

また、採用が成功したかどうかは、企業からの目線だけでなく、入社した本人の目線も考えなければならないと思う。よって上記の定義には、入社者が入社前に会社に対して持っていた期待値を超えることができたかどうか、そしてその会社に入ったことに満足しているかどうかという視点を入れている。

個人的には、採用の一番の醍醐味というか、やりがいを感じるポイントはやはり、自分が「この人は会社で活躍してくれるに違いない、一緒に働きたい!」と思った人が実際に活躍してくれることにあると感じるので、採用担当が気持ちよく仕事できているかという部分にも矛盾しないと思う。

この定義に沿えば採用とは、企業と採用担当者そして候補者が、全員の幸せという同じ目的に向かって努力する、"初めての共同作業”であると言えるかもしれない。

それでもなかなか採用面接時の期待値にお互いが届かないとすれば、それはやはり採用の成功とは言えないというのが個人的な意見。そこまでの期間は、その企業の状況によって異なり、体力がある会社であれば例えば3〜5年まで見ても良いかもしれないし、数名〜10数名程度のスタートアップであれば半年や1年、あるいはもっと短期間で至らなければスタートアップの性質上、厳しいのではないか。 自分の今までの経験では、本人と面談し、環境や役割を調整していっても、なかなかそこに至らない場合は残念ながら転職していく人が多かったように思う。

最初の期待値に届かない場合は、話し合いを通じて期待値を再度調整していくというのがよいのだろうか。(その場合双方共にとってあまり幸せでないケースも多いと思う) そういう意味でも最初の採用時に期待値の調整をちゃんと行うことはとても重要な意味を持つ。

また、特定の期間の採用活動が成功だったかどうかを判断する際には、一定期間経過した後に、上述した"採用成功"のポイントに至った人数や割合で判断するのが良いと思う。(少なくとも採用人数のみで判断してはいけない)

もっと書きたいことや、なるほどなあと学んだことがあったのだが、まさかの論点1つ目だけで文字数が多くなってしまったので、論点2つ目以降については別で書こうと思う。

このように、自身が興味のあるテーマに関して、普段はそこまで意識することのない本質的な問いに改めて向き合い、新しい観点からの意見を取り入れることで思考を深めることができるというのがコミュニティに参加することの魅力だと思う。

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出口雅也 / TipStock
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